リンパ浮腫のセルフケア
今回はリンパ浮腫が下肢に発症した際のセルフマッサージについてご紹介していきます。
【マッサージを行ってはいけない時】や【基本的な触り方】については、前回のブログをご確認ください。(こちら)
それでは、早速始めましょう♪
下肢編
ここでは、左鼠径リンパ節郭清による左下肢のリンパ浮腫について説明していきます。
この場合、下図①と②のリンパ節に向かってマッサージを行います。
①、②どちらか一方だけに流しても良いのですが、より効果的に排液を促すには2つのリンパ節を使用すると良いでしょう。
セルフマッサージの手順
①肩回しをする(10回)
両手で肩をつまみ、鎖骨が動く様に肩を大きく回す
②腹式呼吸をする(10回)
吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹を凹ませる
③左の脇の下を刺激する
右手の平を左脇の下へあてて丸く動かす
④左体側を流す
左脇の下から左足の付け根を5等分し、左脇の下に向けて丸く動かす
※手を当てる位置は図①→②→③→④→⑤の順番
(健康なリンパ節に近いところから流すため、この順番でOKです)
⑤右足の付根を刺激する
右手の平を右足の付け根にあてて丸く動かす
⑥下腹部を流す
左足の付け根から右足の付け根を3等分し、右足の付け根に向けて丸く動かす
⑦お尻から膝を流す
お尻から膝までを、お尻の外側に向けて(左脇の下に向けて)丸く動かす
※手を当てる位置は図①→②→③→④→⑤の順番
※太ももの外側→前側→内側→後側の順にすべて流す
⑧膝から下を流す
膝から足首を、膝に向けて丸く動かす
※手を当てる位置は図①→②→③の順番
※前側も後側も流す
⑨足部を流す
足の甲・趾は足首へ向けて、足の裏は足の甲に向けて丸く動かす
⑩体側のまとめ
足先から体側部をなでるように流す(左脇の下に向けて)
⑪下腹部のまとめ
指先から下腹部をなでるように流す(右付け根に向けて)
なお、下記2つの場合は流す場所が変わりますので、参考になさってください。
【右鼠径リンパ節郭清による右下肢の浮腫】
「右脇の下」と「左足のつけ根」に向けてマッサージを行ってください。
マッサージの手順は左下肢と同様です。
(マッサージをする部位は左下肢と反対側になるので注意!)
【骨盤腔内リンパ節郭清による下肢の浮腫】
「浮腫が出た足と同側の脇の下」に向けてマッサージを行ってください。
逆足の付け根に流す必要はありません。
下肢の浮腫は膝の内側や足首に溜まることが多いです。浮腫が強い部分は繰り返しマッサージを行いましょう。
マッサージと併せて膝や足首の曲げ伸ばしをするのも効果的です。
終わりに
毎日のセルフケアを行うことで、浮腫の状態を維持し安定した生活を送ることができます。リンパ浮腫の患者様は、疲れやストレスを溜めることで浮腫の悪化や免疫低下による蜂窩織炎を招くことが多いです。
そうならないためにも、しっかりと休息をとりセルフケアを頑張りましょう。どんなに短くても構わないので、ご自身のペースで一日一回身体に触れてあげましょう。(どうしても疲れているときはスキンケアだけでも大丈夫です)
そして大変なときは自分だけで抱え込まず、お近くの治療院などでケアをしてもらいましょう。
皆さんが笑顔で過ごすことができますように!応援しています。